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一生涯5,000万円生活

2014-03.30 Sunドコのドナタの感情経路

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 かぐや姫の生まれ変わり(♂)として、5人の貴族の生まれ変わり(♀)に告白されたと思ったら、実は姫の息子だったとか言われたぜ。

 こんなぶっ飛んだ設定から、どんなハイテンションラブコメが展開されるのやら! と思いきや意外に普通だった。 というか、本編に竹取物語関係ないじゃん。


 「前世であなたが好きでした!」というのは完全に電波なヒロインだが、そういう設定のメンヘラじゃなくてリアルに前世の記憶があるヒロインを5人用意しているのは面白い。 素材が竹取物語というのも親しみがあって分かりやすい。
 トンデモ設定なのでプレイヤーが引いてしまうとグダグダになってしまうが、序盤の勢いで上手く押し切っていると思う。

 しかし、このファンタジーかSFかという状況からどういうシナリオが待っているかというと、高校生の恋愛である。 はっきりいって、この壮大なシチュエーションは、特別なことを何もしていない主人公がなぜ5人の女の子に多大な好意を寄せられるのか、ということに説得力を持たせるためだけに用意されたものだ。

 というわけで、伝奇やスペオペ的展開を期待すると全くの肩透かしに終わるのは間違いない。 だが、そこを気にしなければ、結構良い出来じゃないだろうか。


 ヒロインと一緒に一般的な高校生活を送り、夏の海イベントで恋人になって、夏休みをイチャイチャして過ごす。 それだけのストーリーである。 退屈といえば退屈だが、面白くないわけではない。 それに、妙にテンションを挙げたり下げたりする鬱陶しいイベントがないところは、むしろ素晴らしいと思う。

 よくある取って付けたようなシリアス展開とか、恋人関係に周囲が茶々を入れて無理矢理盛り上げようとするお節介イベントだが、こういうのはシナリオ構成に縛られすぎてストーリーをぶち壊しているだけである。

 その点、本作のバランス感覚はいい。 体裁としてはちゃんとシリアスな山場というのがあるのだけれど、これが客観的に見るとかなりどうでもいい話なのである。
 恋人になったばかりのティーンエイジャーには大問題でも、他人からすれば「それがどうしたの?」という程度のことなので、プレイヤーはシリアスになる必要がない。 しかし主人公達が泣いたり怒ったりする気持ちは分かるので馬鹿馬鹿しいとも思わない。

 そうなんだよ。 恋人たちに訪れる試練は、身分の差や別離、不治の病のようなものじゃない。 単に、彼氏(彼女)に嫌われたらどうしようと思わせるような出来事でいいんだ。 それくらいの方が歳相応の可愛げがある。


 ところで、このゲームのヒロインは5人いるが、メイン3人にサブ2人と考えた方がいいかもしれない。 というのも、3人は最初から登場するけど、あとの二人は共通ルートの中盤と終盤に出てくるからだ。 しかも、選択肢の選び方によっては登場した時点でフラグが折れてることすらある。

 眼鏡の先生目当ての人にとっては、がっかりだね。


 アニメ塗りのCGは高画質アニメの1シーンという感じで、今にも動き出しそうな躍動感を感じられて好きだ。 ただ、乳輪に輪郭線があるのだけはやめてほしい。




 一番好きなのはイッシー。 翔太を好きになったきっかけが前世の記憶じゃない唯一のヒロインで、しかも最後までそのことに触れない。 翔太の方がイッシーの好意に答えることを躊躇する理由も、前世の記憶じゃなくて幼い頃の思い出であって、他のヒロインとは一線を画している。

 彼女だけは家庭の事情がちょっと重くて、そこを掘り下げることもできたのだろうけど、しなかったのは英断だった。 1人暮らしのマンションから翔太の家に居候することになって、かぐやさんがイッシーの父親に電話で「馬鹿親父!」と怒鳴って終わらせたのは、クールでスマートなやり方だと思う。

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