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一生涯5,000万円生活

2013-04.30 Tue百花繚乱エリクシル

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 まさかの良作。 2作続けてガックリくる微妙作で期待値が大幅に下がっていたことを考慮しても、十分に面白い。 振り返ってみると、ファンタジーは「Princess Frontier」以来なのか。

 大筋は焼き直しと言われても仕方ないくらいにPFと同じ。 過日の「プリズム◇リコレクション」(タイトルがパッと浮かばなかった。 そこまで酷かったのかと今更ながら思う。)ほど気にならないのは、主人公のタイプが違うのと、PFより面白いからだろう。

 このゲームの魅力は、主人公の良さ、これに尽きる。 エロゲーで男かよ、と言う勿れ。 燃えゲーでなくとも、極めて重要だ。
 まず、ヒロインの輝きが違ってくる。 最終的には女の子とセックスするのが目的だから、ヒロインは可愛くなくては話にならない。 しかし、どんなに素晴らしいヒロインを用意しても、何の取り柄もない凡夫を盲信して群がるような女は、それだけで魅力激減である。 どこにでもいるような男相手であれば、魅惑の美少女達はその乙女力をほんの僅かに発現すれば事足りてしまう。 稀有な男を落とすには、その力を全開にしなければならないのは道理ではないか。
 世の冴えない男諸君(私もだが)には残念だが、釣り合いというのは大事なのだ。 セルとミスターサタンの戦いを見ればよく分かる。

 次に、シナリオの説得力が違う。 平凡な奴に何かをやらせると、プレイヤーは無意識のうちに自分がやるようなことを想像する。 同じく平凡な自分にもできると思うからだ。 そうして、その平凡さに知らず知らず興醒めしてしまう。 しかし、同じ事でも凄い奴にさせれば、自分とは違う何かを想像し始める。 その想像力こそが、文字で綴られた物語を魅力的にするのだ。
 いわゆる ※ というやつだが、これは真理だ。 その日あったどうでもいいことをブログに書くとして、それが私であればここのようにせいぜい十数人が見るだけだが、芸能人なら何万人もが閲覧してコメントもくれる、そういうことだ。

 さて、「百花繚乱エリクシル」の主人公、ジミーことブルームは、PFのリュウと違って明確にデキる男だ。
 孤児の出自でありながらエリート中のエリートである巡察使となり、正義を貫くあまりに不興を買って左遷されてしまう。 世渡り下手ではあるが、得難い人物である。
 正義が蔑ろにされたことにショックは受けるが、辺境に飛ばされたことに腐らず、職務に忠実で全力だ。 真摯で私心のない姿勢は、疎ましく思うことはあっても否定するほどまでに人間性を捨てることはできない。
 能力が頭脳に偏っており腕っ節はからっきしだが、腕の立つ巡察護衛使(美少女幼馴染アンドロメダ)が付き従い、信頼を寄せ、公私に亘って甲斐々々しく世話を焼く姿を見せられたら、その人柄は想像せざるを得ない。 蛇足ながら、眼鏡を外すと美青年である。
 これはもう、男でも惚れる男だよね。 こういう人が「やる!」と言ったら、たとえ紆余曲折があったとしても、最終的にはそうなっていると思える。

 一番面白いのは、職業上の規則として妻帯が禁止されているため、自主的に恋愛や(多分)性的行為も戒めていることだ。 彼は、エロゲーの主人公にありがちな突発性難聴でも社会病質的鈍感でもなく、自らを律して恋愛から身を遠ざけているのである。
 ここが、この作品のもう1つの魅力となっている。 ブルームからヒロインへアクションを起こすことはなく、ヒロインからのアタックが全てだ。 そして、その全てを完膚なきまでにスルーする唐変木ぶりと、玉砕するヒロインの凹みぶりが楽しい。 ブルームがただの鈍感で、女の子がいちいち怒っていたらうんざりしただろうが、職務に忠実な男の信念(=魅力の1つ)故の応対であり、それを分かって健気なアタックを繰り返しているところが微笑ましい。

 シナリオは平凡だし、起こる問題の解決はあっさりと軽くて、トントン拍子が過ぎるくらいである。 しかし、ここを重くしては登場人物達の軽快なやりとりが死んでしまうし、田舎の長閑な雰囲気がなくなってしまうから、こんなものだろう。 王道である。
 ただ、1つだけどうしても気に入らない点がある。 某イベント後に『かくして、5人の乙女たちの戦いが始まりを告げたのだった。』と出てくるのだが、まさにここが共通ルートの終わりであり個別ルートの始まりなのである。 それっておかしいでしょう。 ブルームが村のために働く場面は終わって、ヒロインのアピール(引き止め)がしばらく続いて、それから個別というのを誰だって想像するところなのに、戦いが始まったと思った時には全てが終わっているという。。。
 個別ルートをやっていると、個別序盤のイベントに他ルートで言及があったりして、単なるライターのミスか個別への分岐点を当初予定から変えた名残なのか、ちょっと想像させるところはあるけれど、現実は現実である。

 エロは相変わらず。 エロシーンを今以上にエロくできないなら、他のライター呼んででも強化すべきだ。 ヒロインへの愛情を持ってしても、実用性には乏しい。

 ライターは北側と長谷川でどっちがいいとか悪いとかではなく、どちらも良い時と悪い時があるので、今後も1作1作吟味していくしかないなぁ。
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