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一生涯5,000万円生活

2010-03.02 Tue過ぎたるは及ばざるが如し

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 『国交相は、気象庁が「津波の予測が過大であった」などと謝罪したことについて、「謝罪には当たらない」と同庁に伝えたことを明らかにした。』。そして、首相も同感だという趣旨の話があったということだ。

 気象庁の立場からして、安易に謝罪(つまり、誤りを公に認める)してよいのかという問題はある。率直であることは常に良いとは限らない。しょっちゅう間違えるといって信用されなくなれば、正しい予測までもが軽視されかねないからだ。予測には誤差があるし、許容範囲外に外れる可能性もあることを、情報の利用者すべてが理解していれば良いのだが、現実には可哀想な人が大多数なのである。もっとも、黙っていると、ある日突然正義の味方が現れて、過去の失敗を暴き立てた挙句に「重大な事実を隠していた」と鬼の首でも取ったかのように騒ぎ立てて、事態がさらに悪くなる可能性もあるけれど。
 が、そういう話はとりあえず置いておこう。ここで考えるべきは、気象庁の予測が過大であったことは、許容できるかどうかということである。「過小であるよりはいい」とか「最大のリスクに備えるのが行政」という声もあるようだが、これは間違っている。過大な需要予測に基づいてどれだけの公共交通や公共施設が建設され、赤字を垂れ流し続けているか調べるまでもない。また、日本において、小惑星が地球に衝突する事態に備えてシェルターを建設しているという話は聞かない。

 過小な予測によって甚大な被害が出れば、それは悲劇的である。しかし、過大な予測による過剰な反応は、目に付かなくてもやはり大きな損害であることを知るべきだ。気象庁の予測は、端的には注意報や警報というかたちで提供されることになるが、これを行動の指標としているところは多い。市町村役場や警察、消防は有事に備えて職員を待機させることになる。また、今回もそうだが、鉄道、航空が見込みで運休したり、道路が通行止めになったりもする。企業も立地によっては自宅待機となったり、工場の操業を停止したりするだろう。
 さて、公務員は生憎ボランティアではないので、就業時間外に待機させると人件費(残業代)が発生する。交通機関が止まれば、物流に支障が生じるし、企業活動が止まれば業務の遅れによる追加コストの発生は避けられない。災害の予測とは、これだけの影響があるのだ。単に住民が避難するとかしないとかいうことではない。

 今回の予測の過大さがどの程度か、詳しくは見ていないし、その影響も調べたわけではない。しかし、過大な予測は多かれ少なかれ臨時の出費を各方面に強いるのである。これは十分謝罪に値するこおだ。何を重視するかは緒論あろうが、単純に過小よりはまし、ではないことは間違いない。
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