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一生涯5,000万円生活

2007-09.11 Tueコロノスのオイディプス

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 【コロノスのオイディプス】を読了。【オイディプス王】、【アンティゴネー】の間の話になるわけだが、それほど悲劇というものではなかった。むしろ、連綿と続く悲劇の中にあって、この作品におけるオイディプスの最後の日は救いであるように見える。
 ライオスは息子に殺され、イオカステは息子と契り真実を知って自害する。オイディプスは父を殺し母と契り、真実を知って自らの目を突き、やがて国を追われる(【オイディプス王】)。エテオクレスとポリュケイネスは王位を争って相果て(【テバイ攻めの七将】)、アンティゴネーは祖国を裏切った兄を弔った罪で囚われ悲嘆の末自害し、ハイモンは許婚を失った悲しみに自害、その母エウリュディケーは息子を失った悲しみに自害し、妻と子を死に追いやったクレオンは絶望する(【アンティゴネー】)。
 こういう状況に比して、辛い放浪の末とはいえアンティゴネとイスメネに付き添われ、テセウスに客人として遇され、死後アテナイの守護者となるべく奇跡の死を遂げるのだから、『人間死ぬまでは、幸運な人と呼ぶことはあっても幸福な人と呼ぶことがあってはならない』というのであれば、この世の果てに至るその時までは、不運な人ということはあっても不幸な人ということはないのではあるまいか、と思う。
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