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一生涯5,000万円生活

2005-01.30 Sun

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 ニュースを見ていたら特集が例の拉致がどうのこうのいう話。制裁だ何だと騒いでいるのは日本だけで、当の北朝鮮ですらあまり気にしてない様子。傍から見ると相当滑稽に見えるのではなかろうか。
 実際先が見えてるだけに手詰まりなのは日本だ。石油という武器があったにせよ、イラクは10年間耐え続けて、結局へこたれなかった。経済制裁というのは核兵器と同じで、所詮はブラフにしか使えんのだ。しかも経済攻撃の次は実力行使が控えているという前提があって初めて効果を発揮する。経済制裁止まりでは、発動は自ら交渉の余地を捨てた挙句に譲歩も引き出せない最悪の手と言える。戦国時代の篭城戦と違って、相手は土地付きの国家であるから食糧生産もあるし、今の世界で全てを完全に遮断するのは人道上の観点からほぼ不可能。さて、日本人奪還の為に自衛隊を動かす元気が日本にあるのですかね。アメリカはイラクで手一杯だから動いてくれないと思いますが。
 で、あーだこーだともめている原因の誰だかの遺骨の話である。日本がDNA鑑定で別人のものと主張すれば、向こうはそれこそ捏造と訴える。我が栄えある日本政府の官房長官は「北朝鮮には考えられないほど日本の技術は進んでいる。DNA鑑定なんて(北朝鮮は)ほとんど分からないんじゃないかな」などと威張っておいでであった。そもそも相手に理解できない手法を用いて交渉する事自体度し難い行為であるが、それはさておきちょっと北朝鮮の主張も聞いてみようじゃないか。
 「1200度の高温で焼いたのに、DNA鑑定できるはずがない」...これは至極まっとうな主張だと思う。私も専門ではないが、プリオンと違って染色体は高温で構造を保持できるほど頑丈ではないはずだ。これは技術が進もうが戻ろうが変わらない事実だと思う。ただ、遺骨と言うくらいなので、骨まで灰になったわけではないから、DNAが取れるくらいには残っていたのかもしれないから、日本の捏造とも決め難い。しかし、聞いた話だと二箇所に鑑定を依頼して、一方は判別不能という結果が出たらしいじゃないか。これは解せない。
 科学的な議論は水掛け論になってしまいそうなので別の観点から見てみると、私は日本の方が信用できなくなるのではないかと思う。北朝鮮が日本の主張に対して、遺骨を返せ、鑑定は捏造だと返答した時、なぜ遺骨を返すこともせず、批判も一笑に付したのか。前者は証拠がなくなると困るという理由が思いつくが、しかし拉致されたヤツの骨でなくとも、人の骨であることは間違いないのだから、何とかしようよ。さて、問題は後者だ。お互いに罵り合っていては埒のあくはずもないのだから、日本はすぐさま第三者による仲介を求めるべきだったはずだ。北朝鮮も信用する国に、まあ中国か韓国が一番マシだろう、改めて鑑定してもらえばいい。これは国家間によらず、人間生活のあらゆる場面で行われることだ。これをやろうとしない理由は二つしかない。政治的な理由で喧嘩し続けたいか、相手の言う通り嘘をついてるのが自分であるか、だ。
 何のかんの言ってさ、拉致された人間全員が生きていることを前提として日本は外交しているわけで、はっきり言って不誠実なのはお互い様なのよね。だって「死にました」っていっても納得しないんだぜ。世界的に戸籍だの役所への届けだのでこれだけ国民を管理している国は珍しい上に、国内秩序にも結構な差があるわけで、誰がどうしたかなんて普通調べても分からんぞ。日本で年に何人が行方不明になってると思うよ。死ぬ人間の数は? これに触れると日本に弁解の余地がなくなるけど、戦時中に日本へ連行してきた朝鮮人が何処でどうやって亡くなって遺骨はどこにあるのか、生きているとしたらいつ何処で何をしていたのか、あんた分かると思うかい? もう長いこともめてると思うんだが、結果は最初から見えてるのよね。
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